5年
たずねびと

香川大学教育学部附属坂出小学校
東 泰右

指導計画例(❹/6時間)を開く

単元の特徴・付けたい力

本単元では、人物像を具体的に想像する力を付けることを主なねらいとしている。
そこで、「たずねびと」を読んで中心となる人物の人物像を具体的に想像し、「私の考える綾」カードを書いて友達と紹介し合うという言語活動を設定した。子供たちは、物語の中に多様に描かれている綾を「私の考える綾」としてまとめ、そう考えた理由を書いてカードを完成させるために、綾の人物像を具体的に想像していく。

ICTの活用について

本単元を学習する時点ではまだ平和学習を行っていないことが多い5年生にとって、内容の理解が難しい部分がある。そこで、初読の後にデジタル教科書の動画コンテンツで各種資料を示すことで、子供たちの教材に関する知識を補完するとともに、教材への関心を高める。
登場人物の人物像を具体的に想像する際はまず、デジタル教科書の「マイ黒板」の機能を用いて、場面ごとに、戦争やもう一人の「アヤ」に対する綾の思いが描かれている叙述を抜き出し、整理していく
そして、「マイ黒板」に抜き出した言葉を手掛かりに、綾の人物像を 具体的に想像していく。
その際は、ロイロノートを活用し、自分の考えをカードにまとめる。その後、考えを書いたカードを集約し、1人1台端末で全員の考えを一覧で見られるようにすることで、友達の考えとの異同を捉えやすくし、交流への意欲を高める。
また、交流の際は、 学習支援アプリのカードだけでなく、「マイ黒板」に抜き出した叙述も示すようにし、考えやその根拠を示しながら話し合えるようにする。

全時学習活動 (全6時間)

主な学習活動
1 「たずねびと」を読んで「綾はどのような人物か」について考える。
交流によって、登場人物の人物像の捉え方は多様にあることを確認し、「『私の考える綾』カードを書いて友達と紹介し合う」という単元のゴールを設定し、学習計画を立てる。
2~5 「綾が広島に行くまでの場面」「綾が戦争を知らせるさまざまなものに出合う場面」「綾がおばあさんと出会う場面」「綾が戦争につい て自分なりの考えをもつ場面」の四つの場面について、叙述をもとに、戦争やもう一人のアヤに対する綾の思いを捉えていく。
そして、捉えたことをもとに、性格や考え方を総合して判断し、「私の考える綾」をまとめていく。「ロイロノート」
6 「私の考える綾」カードを書いて友達と紹介し合う。
そして、単元導入時の綾に対する捉えとカードの内容を比べることで、登場人物 の人物像を具体的に想像しながら読む力が伸びてきていることを感じ、本単元の学習を振り返る。